ぎっくり腰

ぎっくり腰は、おもに次のような原因で起こりやすいです。

●ぎっくり腰とは

ぎっくり腰は、腰の筋肉が急に動かされたり、急な負荷がかかったりすることで筋肉や椎間板・椎間関節を損傷する
症状です。
腰の筋肉が硬い状態だと伸び縮みがしにくくなります。
硬くなった筋肉が急な動きによって伸ばされた際に痛めることが多く、強い痛みや炎症を起こしやすくなります。

ぎっくり腰を受傷するとき「ギクッ」というような強い衝撃を腰に感じることから、ぎっくり腰とよばれるようになったといわれます。
また、ぎっくり腰は正式名称ではなく、医学的には「急性腰痛症」「急性腰部捻挫」などとよばれます。

●ぎっくり腰を起こしやすい動作

ぎっくり腰は、次のような動作で起こりやすくなります。

・重いものを持ち上げる
・身体から離れた位置でものを持ち上げる
・しゃがみ姿勢やイスから急に立ち上がる
・長時間座っていて動き出したとき

など

もともと腰痛を抱えている方や、仕事で座りつづけている時間が長い方などは、腰の筋肉が緊張しやすい状態です。
そのため、急な動きの際にぎっくり腰を起こすリスクが高いと考えられます。

●ぎっくり腰を起こしやすい身体の状態

次のような身体の状態の方は、ぎっくり腰のリスクが高い状態といえます。

・猫背（不良姿勢）
・座り姿勢が悪い
・睡眠不足
・疲労が蓄積している
・運動不足

など

また、精神的ストレスを抱えている方も全身が緊張しやすいため、ぎっくり腰には気をつけましょう。

ぎっくり腰を発症すると、次のような症状がみられます。

●急性期（受傷後3日前後）

ぎっくり腰の受傷後24～72時間は急性期とされ、患部には炎症症状がともないます。
ぎっくり腰の急性期は痛みが強く、患部を動かした際に強い痛みをともなうため、
人によっては身動きが取れなくなってしまうケースも多くあります。

炎症を生じている場合には、数日間は安静する必要があります。
炎症がある部分を動かしたり温めたりしてしまうと炎症が拡大し、症状の悪化につながりやすくなるため、注意しましょう。

●亜急性期～慢性期（受傷後数日以降、炎症が落ち着いてから）

急性期以降は慢性期とされ、おもに筋肉の緊張による動作痛や可動域制限がみられます。
慢性期の症状は数週間～数ヶ月間つづくこともあり、症状を改善するためには筋肉の緊張を緩和することが大切です。
また、腰まわりの筋肉の緊張が強くなると神経を圧迫し、しびれといった神経症状が現れる可能性があります。
臀部には坐骨神経が走行しているため、神経の圧迫が起こると下肢に神経症状が現れやすくなります。

●腰の痛みを生じる疾患

腰の痛みを生じる疾患はぎっくり腰以外にも存在し、次のような例があげられます。

・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・脊椎すべり症
・その他の内臓疾患

など

ヘルニアや狭窄症は、神経や神経の通り道（脊柱管）の圧迫や狭窄によって痛みやしびれを生じる疾患です。
症状を放置してしまうと、悪化する可能性があります。
そのため、強い腰の痛みやしびれがある場合には、早期に医療機関へ行くことをおすすめします。

ぎっくり腰を発症した際には、次のような対処法を行うことがよいとされています。

●急性期（受傷から3日前後）

急な動きでぎっくり腰を発症した場合、3日前後は患部に炎症をともなうケースが多くみられます。
そのため、患部を安静にし、アイシングを行いましょう。
また、患部の安定ため、コルセットの着用も一つの手段です。
コルセットによって患部を固定し、痛みを生じる動作を行わないよう制限をかけられるため、
回復が早まるとされています。

●亜急性期～慢性期（炎症が落ち着いてから）

ぎっくり腰の発症から数日経過してからは、患部を温め、筋肉の緊張を緩和することがよいとされます。
また、腰や下肢の体操・ストレッチを行うことも有効といわれています。

腰痛を改善するためには「腰痛体操」が効果的と知られているため、当院の運動療法にて指導いたします。

普段の姿勢を改善することも大切です。
背中を丸めてしまう姿勢は腰に負担がかかり、腰の痛みやぎっくり腰を再発するリスクが高まるため、できるだけ背筋を伸ばした姿勢を意識しましょう。

ぎっくり腰を起こさないためには、日ごろから次のような方法を心がけましょう。

●無理な体勢での作業を控える

無理な体勢で作業を行ってしまうと、腰に負担がかかり、ぎっくり腰のリスクが高まってしまいます。

・中腰で荷物を持ち上げる
・腰を曲げてものを拾う
・腰を反らせてものを持ち上げる
・腰の反動を利用して立ち上がる

腰を支点にして動いてしまうと腰に負担が集中しやすいため、そうした動作は避けましょう。
そのため、ものを持ち上げる際は腰ではなく、脚（太もも）の筋肉を使って行うことが重要です。

●腰や下肢のストレッチ

ストレッチを日常的に行うことは、ぎっくり腰や腰痛の予防につながります。
ストレッチの際は勢いをつけず、息を吐きながらゆっくりと筋肉を伸ばすことが大切です。
また、入浴後の身体が温まっている状態で行うと、より高いストレッチ効果を得られます。
そのため、入浴後や帰宅後などにストレッチを行い、筋肉の柔軟性を高めてぎっくり腰の予防を心がけましょう。

●運動習慣をつける

日ごろ運動不足の方は、運動習慣をつけることをおすすめします。
日常的に運動を行うことで筋肉が動かされ、筋力や柔軟性の低下を防ぎます。

・ウォーキング
・ラジオ体操
・ヨガやピラティス

軽い運動でもぎっくり腰の予防になるため、取り組んでみはいかがでしょうか。

●疲労を蓄積させない

ぎっくり腰を防ぐためには、日ごろの疲労を蓄積させないことが重要です。
規則正しい生活習慣を心がけましょう。

・睡眠
・食生活
・冷え対策
・運動　など

生活環境を整えることはぎっくり腰の予防にもつながるため、日ごろの生活を見直しましょう。

ぎっくり腰は、仕事や日常生活でものを持ち上げる姿勢が悪かったり、ポジショニングがよくなかったりすることが大きな原因としてあげられます。
腰に負担がかかる習慣や、くせによって引き起こされているケースが多いです。
さらに仕事や学校、家族間などでのトラブルや、強い心理的ストレスなどがあると、ぎっくり腰を起こしやすくなる傾向があります。

当院では急性期の強い痛みや、可動域制限がある状態では、症状に応じてアイシングを施します。
また、マイクロカレントも行います。
マイクロカレントは、ATP生成・アミノ酸能動輸送・タンパク質合成活性化などに優れているため、
細胞の修復や痛みの早期抑制が見込めます。
コルセットの用意もあるため、必要な方には装着していただきます。
急性期を過ぎたら状態にあわせて、硬くなった筋緊張を緩和するための温熱療法を行います。
痛みをとるための電気療法や手技療法（医療マッサージ）、運動療法なども組み合わせて行います。

運動療法については、当院では850種類の運動プログラムから、患者様の症状・状態にあわせた最良の運動プログラムをご提供することができます。
最初から最後までトータル的にサポートします。

※ケガにより通院が不可能（歩行が困難な方）な場合は、無料の送迎サービスや訪問施術も行っています。